2025/06/15 08:33
オフィシャルから発売するインタビュー集としては、5年ぶりとなる
新刊「ZARD/坂井泉水 〜君に逢いたくなったら…〜」(2025年6月4日)から、一部をご紹介。
(こちらはパート2です。パート1、3もぜひご覧ください)
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★鮫島俊介(Shunsuke Samejima)
オフィシャルスチールカメラマンとして、ZARDではデビューから1995年ごろまでさまざまな撮影を担当した。
<インタビューより一部抜粋>
⚫︎カメラ目線がNGというのは、撮るほうも撮られるほうも意外と難しいですよね。
実は初めの撮影では目線ありも撮ったんですけど、長戸さんからは「こんなの全然求めていない」と言われました。「例えば、こういうのをやってみてくれない?」と言われたのは、「坂井さんが下を向いて何かを書いていて、ふと視線を上げたときに、ずっとカメラを構えて待っていてシャッターを切るんじゃなくて、待ってはいるんだけどその瞬間にだけスッとカメラを構えて撮れ」と。それってすごく難しいんですよ。キャリアのある報道カメラマンなんかは撮れる人もいますけどね。僕も相当練習して撮れるようになりましたけど、長戸さんの要望ってものすごく高いんです。被写体が「撮られた!」と思ったときにはすでに撮り終えていないと、自然な表情は撮れないんだと教えられました。
★森田智恵子(Chieko Morita)
1991~95年ごろまで(株)ビープランニングにて撮影コーディネーターとして勤務。
ZARDでは撮影コーディネーター、坂井泉水の衣装やヘアメイクなどのサポートを担当。
<インタビューより一部抜粋>
●撮影現場での坂井さんの様子はどんな感じでしたか?
楽屋では坂井さんが持ってこられた洋服の中からそのときの撮影に合うものがありそうかを一緒にチェックしたり、コーディネートを一緒に考えたりしました。「今回の撮影場所は誰が探してきたの?」など坂井さんから聞かれたり、いつもごくごく普通の会話をしながらリラックスした雰囲気の中で準備をしていきました。ときどき、「今日のお弁当は何?」と聞かれることもありました。坂井さんは意外にもお肉がお好きだったと思います。
最初のころの私は撮影のことで頭がいっぱいで、現場では相当余裕がなさそうに見えていたのか、坂井さんから私によく話しかけてくださいました。おそらく何気ない話を振りながら、「少し肩の力を抜いて!!」と気分転換をはかってくださっていたのだと思います。いつも落ち着いたトーンで、穏やかにお話される声が今でも思い出されます。
★小林さゆ里(Sayuri Kobayashi)
1993年に株式会社ビーイングのグループカンパニーである株式会社アディングに入社。1993~98年ごろまでZARDのA&R(アーティスト&レパートリー)を担当。
<インタビューより一部抜粋>
⚫︎怒涛のスケジュールの中、最初に会ったときと坂井さんの印象は変わっていきましたか?
1993年11月1日に、長戸さんが耳の持病のために東京でのプロデュース業を突然引退されたんですね。その後から坂井さんは完全にZARDになったというか、それまではごくごくたまにではありますが素の蒲池幸子さんの顔をのぞかせるときもあったんです。でも、長戸さんが現場に来なくなってその役回りも自分がやらなきゃと思ったのか、仕事に対してそれまで以上に厳しくなり、常にZARD/坂井泉水さんであり続けました。ビジュアル面は変わらないんですけど、内面の変化をすごく感じましたね。歌詞においても、坂井さんのセルフプロデュースになってから、ラブソングだけじゃない人生観を感じさせるフレーズが多く見られるようになったと、個人的には感じていました。
★佐久間新二(Shinji Sakuma)
1995年に株式会社権四郎に入社。アシスタントを経てカメラマン、撮影監督として従事する。
ZARD「運命のルーレット廻して」「今日はゆっくり話そう」のミュージックビデオ、コンサートツアー「ZARD “What a beautiful moment Tour”」などの映像に携わる。
<インタビューより一部抜粋>
●(オーストラリアロケで)初めて仕事してみて、坂井さんはイメージどおりの人でしたか?
ロケ中は映像を撮ることに必死で、ほかのことを考えたり感じる余裕がありませんでしたが、最終日の夜に一度だけ坂井さんとスタッフ全員での食事会が開かれて、そのときにお話をさせていただき、想像以上に気さくな方だなという印象を持ちました。
食事会ではビーイングの映像責任者の方が席順を決められたんですけど、僕は坂井さんの隣の席になりまして、緊張で食事どころではなかったのを覚えています。坂井さんから「どんな映画が好きですか?」などいろいろ質問を投げかけてくださって、おそらく気を遣われていたとは思うんですけど、スタッフ全員に分け隔てなく声をかけてお話されているように見えました。
(パート3へ続きます)