2025/06/15 07:57

2020年に出版した書籍「ZARD/坂井泉水 forever you~」の続編。

 オフィシャルから発売するインタビュー集としては、5年ぶりとなる新刊(202564日)をご紹介します! (インタビューより一部を抜粋してご紹介)


 


 本書は、ZARD/坂井泉水とデビューのころから親交の深かった大黒摩季、ZARDに楽曲提供を行った春畑道哉(TUBE ギタリスト)、川島だりあ(FEEL SO BAD)、小澤正澄(ex.PAMELAH)、坂井泉水が歌詞提供を行ったDEEN・池森秀一、FIELD OF VIEW・浅岡雄也のミュージシャン陣。

 また、坂井泉水を身近で支えてきたマネージャー、A&RFC担当、スチールカメラマン、舞台監督、撮影コーディネーターなどのスタッフ陣。

 そして!!  ZARDを世に送り出し、トップアーティストに育て上げたプロデューサー・長戸大幸の初めて語られる真実をはじめ、30,000字を超えるロングインタビューを収載。

 

 インタビューだけではありません!!!


 巻頭には坂井泉水のさまざまな表情を収めたグラビアページを掲載!

 中でも、デビュー前にSTUDIO BIRDMANで撮影された坂井泉水と大黒摩季の2shotのカラー写真や、42nd SG「ハートに火をつけて」の衣装(ウエディングドレス姿)で撮影された写真など、初公開となる貴重な写真も収録!  

 

 巻末には2022年に大阪、東京で開催された過去最大規模のZARDの博物館『ZARD MUSEUM』を、豊富な写真や見取図などでご紹介。会場に足を運べなかった方にもぜひご覧いただきたい内容になっています!

 

 では、今回収載したインタビューの中から一部をご紹介いたします!!

 

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★春畑道哉(Michiya Haruhata

1985 TUBEのギタリスト。

ZARDでは「IN MY ARMS TONIGHT」「Just believe in love」の作曲、「出逢いそして別れ」作・編曲(編曲は池田大介との共作)を手掛けた。

 

<インタビューより一部抜粋>

IN MY ARMS TONIGHT」は、ZARD用に書き下ろした楽曲だったのでしょうか?

 そうです。プロデューサーの長戸大幸さんから「ZARDの曲を書いてほしい」と依頼がありました。一つ前の曲「眠れない夜を抱いて」(4th SG1992.8.5)でテレビに出ていくから、その次にリリースする曲を書いてほしいというような依頼だったかと思います。

どんなふうに作っていったか覚えていますか?

 イントロとサビが早いうちにできた記憶があります。デモ音源はイントロからこんな感じで、ほぼ今の形(製品と同じ形)に近かったのですが、明石昌夫さんからアレンジが上がってきたときに、イントロの16小節の「頭からの8小節」と「その後の8小節」が入れ替わっていたんですね。「やっぱりここは戻してほしい」とお願いして、最終的にデモ音源の形に戻りました。

  

★大黒摩季(Maki Ohguro

1992年デビュー。「あなただけ見つめてる」「夏が来る」「ら・ら・ら」などのミリオンヒットを放ち、現在も第一線で活躍。

ZARDでは「負けないで」「揺れる想い」をはじめ多くのコーラスを担当。また、2022年開催 ZARD 30th Anniversary LIVE What a beautiful memory ~軌跡~”』にゲスト出演した。

 

<インタビューより一部抜粋>

●歌詞に関して、坂井さんは相手(彼)の夢のために自ら身を引くタイプの女性を描き、大黒さんは自分の夢や未来に向かって自ら突き進んでいく女性を描いているイメージが強く、真逆のタイプに思えるのですが意識はしていましたか?

 最初のころに長戸プロデューサーが、「清楚で男性の言うことを何でも素直に聞くけど実は芯が強い女性」と、「強そうに見せていて実は寂しがりやでもろい女性」、世の男性が惹かれる女性というのはざっくり分けるとこの二手に分かれる。だから自分はこの二つのタイプをZARDと大黒で作っているんだと話していました。もともとの性格も遠からずで、泉水ちゃんははかなげに見えて実はものすごく芯が強い女性で、私のほうが根っこは弱いタイプ。

 「揺れる想い」を例にあげると、私は捕まえてから考えるっていうか、揺れているところに注目しない。なぜかと言うと、私自身揺れている間がつらいから。だったらいっそ討ち死にして、後で討ち死にしたことを書くタイプなんです。私は揺れないし、負けないでとは言わず、突き抜けろとか、熱くなれとか、そういう言葉を使う。なぜ「負け」って言葉を使わないかといえば、負けそうだから。本来はこっちのほうが弱くて、あちらのほうが芯が強いんだと思います。

 

 ★川島だりあ(Daria Kawashima

1991年にソロデビュー。1993年にロックバンド・FEEL SO BADをギターの倉田冬樹と共に結成。作家としても定評がある。

ZARDでは「あの微笑みを忘れないで」をはじめ多くの楽曲提供を行う。また、2022年開催 ZARD 30th Anniversary LIVE What a beautiful memory ~軌跡~”』にゲスト出演した。

 

<インタビューより一部抜粋>

●坂井さんとの思い出深いエピソードはありますか?

 私が車の免許を取ったばかりのころのにマイカーを運転して実家に帰る日があって、たまたま居合わせた泉水ちゃんから「だりあの家の近くで降りるから、途中まで乗せていって」と頼まれたことがありました。泉水ちゃんも私も実家が小田急線沿いで方向的には同じだったんですけど、なんせ免許取り立てだし「怖くないの?」と聞いたら、「大丈夫!」ってあっけらかんとした笑顔でした(笑)。彼女にはそういう怖いもの知らずなところがありましたね。

 

 ★小澤正澄(Masazumi Ozawa

1991年に作曲家デビュー。1995年にPAMELAHを結成、アーティストとしてメジャー・デビュー。PAMELAH活動休止後も、多数アーティストの作曲、編曲、サウンドプロデュース、また映画のサウンドトラックやCMソングなどを手掛ける。

ZARDでは「愛が見えない」の作曲、「汗の中でCRY」の編曲を手掛ける。また、2016年開催『ZARD 25th Anniversary LIVE What a beautiful memory”』東京公演にゲスト出演した。

 

<インタビューより一部抜粋>

●(「愛が見えない」は)もともとあったデモ音源だったんですか?

 はい。デビューに向けていろいろ作っていたデモ集の中の一つでした。僕の中でZARD作品は基本的にメジャー(長調)でミディアムテンポの曲というイメージが強くて、中には「もうすこし あと少し…」(9th SG1993.9.4)や「この愛に泳ぎ疲れても」(11th SG1994.2.2)などマイナー(短調)の表題曲もありましたけど、リズムは8ビートだったじゃないですか。僕のデモは16ビートだったので、坂井さんが歌うイメージが最初は浮かばなかったですね。自分の曲を使っていただけるのは大変うれしかったんですけど、驚きのほうが大きかったです。

 

★池森秀一(Shuichi Ikemori

DEENのヴォーカルとして、19933月メジャー・デビュー。2023年に30周年を迎えたDEENCD総セールスは1,500万枚を超えている。(「翼を広げて」「瞳そらさないで」「Teenage dream」のシングル3曲の作詞を坂井が担当)

2009年開催『ZARD What a beautiful memory 2009”』、2022年開催『ZARD 30th Anniversary LIVE What a beautiful memory ~軌跡~”』にゲスト出演した。

 

<インタビューより一部抜粋>

「瞳そらさないで」の最終的なアレンジは、DEENの夏ソングを代表する爽やかなサウンドになりましたね。

 サウンドもメロディも歌詞も、すべてがキャッチーですよね。歌詞に関しては、特にサビ頭のメロディに「瞳そらさないで」というフレーズを乗せてくるセンスがすごいなと。あのころ長戸さんから「3秒を絶対に捕えろ! 3秒で心をつかめ!」みたいなことも言われていて、この歌詞を見たときに「こういうことなんだな」と思いましたよね。坂井さんは作詞家としても正真正銘のヒットメーカーだと確信しました。

 また、この曲こそ譜割に苦戦しました。例えば、1 Aメロの58小節目の「最近君は 留守がちだね」に対して、2 Aメロの58小節目は「 「何かが終わってしまいそう」 と彼女が云った」と、言葉数がかなり増えています。1番を詞ハメした後に、「2番はどうやってハメるの?」ってディレクターと頭を悩ませました。でもいざ詞ハメをして歌ってみると、彼女が彼(主人公)に心の内を吐露している情景がありありと浮かんでくるんですよ。言葉(詞)を詰め込むことによって、しゃべり言葉に聴こえてくる。それによってぐっと歌にリアリティが増したんです。

 

★浅岡雄也(U-ya Asaoka

1994年にメジャー・デビュー。FIELD OF VIEWのヴォーカルとして、坂井が歌詞提供した「君がいたから」「突然」「Last Good-bye」「DAN DAN 心魅かれてく」をリリース、立て続けにヒットを記録。現在はソロとしても活動中。
2011年開催「ZARDWhat a beautiful memory forever you~”」、2022年開催 ZARD 30th Anniversary LIVE What a beautiful memory ~軌跡~”』にゲスト出演した。

 

<インタビューより一部抜粋>

4作目「DAN DAN 心魅かれてく」(FIELD OF VIEW 4th SG1996.3.11)はインパクトが大きかったですね。


 このときも同じくファックスが送られてきて、タイトルが目に飛び込んできたときに正直「うわ~すごいの来ちゃったな~!!」と思いました(笑)。でも、歌った瞬間に「これしかない!」と納得させられたんです。
今度こそはシングル表題曲の歌詞を自分で書いてみせると意気込んでトライしていたけど、サビ頭のメロディに「DAN DAN」、「ZEN ZEN」と畳み掛けてくるフレーズを見たときに、すごい発想だなと脱帽しました。その瞬間、もうこの曲の歌詞を書くのをやめました。あのころは作品をリリースするたびに、自分はまだまだ甘いと、あきらめと反省を繰り返していましたね。

(パート2、3へ続きます)